こんばんは院長のソメヤです。今日の記事はタイトル通り、学生さん達へ向けてのメッセージです。勿論、一般の方も読んで頂けたらと思います。宜しくお願いします。
つい先日、柔道整復師を目指す学生さんの家族を治療しました。当院のスタッフの同級生だそうです。
学生さんの多くは、学校に通っているだけで何でも出来る気になりがちで、家族の治療等は無理にでも行ってしまいがちですが、その学生さんは御家族をちゃんと連れて来てくれました。
どうやら臨床(現場)での研修は行っていないようでしたので、治療の方法を親御さんへの説明と言うよりは、うちのスタッフと併せて実習代わりに説明しました。その学生さんは非常に感心してくれて、御家族皆さんから感謝を頂きました。この瞬間が治療家としては非常に嬉しく感じる時間なのです!!
しかし、それと同時に非常に残念さを感じました。
学校の知識を覚えていれば実践で役に立つ訳では有りません!ですが、実際に現場で使える知識・技術の基を教えるのが学校の役割のはずです。
私が説明した治療法に大きく感心した学生さん達を見て、技術への興味をしっかりもっている安心感と、学校の実技の授業は全くと言っていい程、役に立たない事の両方を実感しました。これは私が学生の時から問題視されていた事ですが、学校が乱立して以降、実務を積まない学生さんが余りにも多くなった為、教えている教員も実務経験が不足している場合が顕著になってきています。
ここで私は幾つかの提案をしたいと思ったのです。
?現役の学生さんへの基本実務講習会開催
教科書的な実技ではなく、臨床で必要とされる実務全般(治療方法・練習方法・患者さんとの接し方等)の講習及び実技。現役の学生さんで有れば誰でも構いません。
応用の技術は勤務する治療室によって違いが有ります。しかし、治療家としてのマナーや基本となる治療技術、或いは、それら向上の為の練習方法等を知っている事は、独立開業後の役にも立ちます。30代以上になると研修の受け入れ先も少なくなってくる現状も有りますので、脱サラ等をして柔道整復師を目指している学生さんは特に受けて頂きたいと思います。
?研修生の受け入れ
柔道整復師の卒後研修とは違います!学生さんで研修はしたいけれど、経済的理由や時間的理由で医療機関での研修が難しい学生さん。又は、研修をしているが時間の有る時に、他の技術や考え方に触れたいと考えている学生さん等を対象に、当院への職場体験の提案。
?主に新設校を対象に実技講習の開催
学生さんが自発的に学ぶのは意外に難しい事だと思います。そこで、新設校(だけには限りませんが)関係者の方へ提案です。
学校の授業での実技は学校によって多少の差は有っても、多くの場合ギプスの練習や骨折・脱臼整復の練習に軽く触れる程度の場合が多いのが実情です。しかし、軟部損傷の治療技術を持たずにギプスやキャストの練習ばかりして何の意味が有るのでしょうか?教科書を基本にしたうえでの応用技術、包帯技術それに伴う固定方法を、もっと練習させるべきではないでしょうか?実務を積む学生さんが少なくなった現在では、学校に求められる役割は多くなっていると思います。
学校としてのカリキュラムが有るのは十分に承知していますし、教員を育成するには期間が必要なのもわかります。しかし、学校主導での講習会開催等で有れば様々な事が可能になると思うのです。
如何でしょうか?柔道整復師を本当に育てる意識の有る関係者の方で興味のある方、是非御一報ください。
柔道整復師として治療に当たる中で、がっかりする事は沢山あります。
学生を免許持ちと偽って当たり前の様に患者さんに触らせる治療院。治療のレベルに達していない主義を使って、口先だけでごまかすマニュアルを教える治療院。そんな学生さん達が触った為に患者さんに怪我をさせても悪びれない治療院。
そういった物が多くなったせいで柔道整復師や接骨院・整骨院のイメージが非常に悪くなり、しっかり治療を行ってきた先生或いは現在行っている先生で苦しんでいる方を沢山見ます。高い志をもって治療家になったのに、そういった流れに押されて泣く泣く適当にやらざるを得ない先生も知っています。
一生懸命、真面目にやっていれば、やがては認めてもらえます。それは確かです。ですが、それでは持たなくなる人も増えて来ます。志高く頑張れる柔道整復師を増やす為にも、学生さんには良く考えてほしいのです。